2:6:2と組織教育

2012年11月20日 火曜日

早嶋です。

2:6:2の法則。無作為に人を集めて組織を作ると、優秀な2割と普通の6割と残りの2割になりやすいという経験則です。企業でもこの傾向は観察できます。2割の率先してリーダーシップを発揮する人、そのリーダーシップに引っ張られる6割。そして残り。

仮に下の2割がその組織からいなくなっても、やはり上位の2割が6割を引っ張り、残りの2割は何もしなくなることが実験で繰り返し示されています。面白いですね。これは、組織を作るときに初めから上位2割の優秀な人材を集めても同様の傾向になるといいます。詰まり下位2割が新しく誕生するのです。

組織をマネジメントする場合、上位の2割の人間をどのように構築するかが重要です。何もしなければ1:7:2くらいになるかも知れません。ですから上位の2割の人材にはより時間を駆けて人材教育を提供することも重要です。一方、あまり下位2割に意識を働かせないことも重要です。

上記の前提条件に、組織全員が「何かに役に立ちたい!」と心底思っていることです。仮に少数の「別にどうなっても良い!」と思っている人が入れば、この塊は2:6:2の下位2にも入らないと思います。この場合は排除したほうが良いでしょう。

ミツバチ界の事例です。ミツバチは嬢王蜂のコロニーを形成し、全員でそのころにーを維持するために働きます。密を集めてくる。たまごを守るため巣が熱くなり過ぎないように巣の入り口で羽ばたきをする。チームを監視する。しかし、やっぱり何をしない蜂が出てきます。

でも「何もしない」のではなく「何かをしたい」と思っている蜂だと言います。お腹がすいた!とか熱い!とか。普通の蜂よりも反応するスピードが遅く、働く必要性を感じていないのです。そのために、別の蜂がより早く反応して、働いてしまうので、結果働けなくなるのです。

人の組織においても同様のことが言えるかも知れません。基本は皆「何かの役に立ちたい!」と思っている。しかし、反応が遅いがために、反応の早い他のチームが仕事をしてしまう。結果、何もしていないように感じられる。

組織教育において、重要なことは、組織が何を目指しているか?を共有するコトでしょう。それに向かって、全ての人に教育を施すのではなく、上位の2割にフォーカスして教育をする。というのも重要かも知れません。皆に平等にしても下位2割の人はついて行くことができません。そこで上位2割により多くの教育投資を行い、6割の人間をもっと引っ張れるようにするのです。

定期的な全体教育とスポット的なリーダー教育を分けて実施する。基本「何かの役に立ちたい!」という組織を形成して、「別にどうなっても良い!」という人間は排除していく。

近年の大手の教育投資の方針が異なってきています。5年くらい前は、全体教育の話が多く出ていましたが、最近はリーダー教育、選抜者教育の機会が多く、メリハリを付ける組織が増えています。そんななか、上記のようなことを考えました。



コメント / トラックバック4件

  1. 椿事 より:

    大手の教育投資の方針が変わってきている。そうなんですか? 日本企業も、万人に教育投資を行えるほど余裕がなくなってきた、ということでしょうか?
    確かに、これまでの日本の会社は、新卒採用は、基本的に全部、幹部候補生でした。それで、課長くらいまでは横並びで、部長になった者の中から、社長の芽が出てくる者もいる、という具合。欧米は、もっと早く20代から選抜し、10人程度に幹部候補生を絞り込み、子会社の経営陣に就けたりし、鍛えるそうですね。選に漏れた者も、腐らない。経営者になれずとも、専門職の道がある、独立の道があるから。
    ずいぶん前、ある大学の先生に取材したんですが、同様のことを言っていました。上位校でも下位校でも、2割のリーダーがいて、2割のやる気のない奴がいる、と。鶏口牛後。リーダーの資質というのは、どこから出てくるのでしょうか? 遺伝? 幼少時の環境? なかなか難しいですね。

  2. biznavi より:

    教育方針と世の中の景気はリンクしていると感じます。
    大量に採用して、様々な仕事を経験させる。から、はじめからその仕事の役割や経験を求める。という採用の仕方も増えて来ています。

    リーダーの資質、いくつもあると思いますが、後天的だと思います。きっとその方がどうしたいのか?自分にビジョンを少しづつ考えるようになったら、芽生えてくるものだと思います。

  3. 椿事 より:

    ビジョンですかぁ。「△△したい」という欲ですね。「○○のために△△したい」、と。この「○○」が大切だと思います。
    首相となったからには、「民自党のために」でなく、「全ての国民のために」を考えないと。いよいよ総選挙です。小手先の政策(←それを考えるのは官僚)でなく、日本のあるべき姿やビジョンを示して欲しいですね。

  4. biznavi より:

    先を示してくれる組織が欲しいですね。国民のためにをスローガンにしないで、心底考える組織。

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