カシミヤ高騰

2006年11月26日 日曜日

早嶋です。



最近、めっきり寒くなりました。そろそろ、ニットを着ても良い頃ですね。さて、ニットの中でも高級品として扱われていたカシミヤのセーターですが、今年は混紡品(綿カシミヤ、カシミヤウール)等が目立ちます。



財務省貿易統計を見てみると、カシミヤセーター類の輸入枚数は、03年をピークに減少しています。逆に、1枚あたりの価格は、03年が最安値で、それ以降上昇傾向にあります。



カシミヤのセーターと言えばユニクロです。ユニクロのカシミヤ製品を調べたところ、03年にブームを作ってからもカシミヤ製品の出荷数に変化は無く、カシミヤ製品が減少しているということはありませんでした。



果たして、100%カシミヤ製品が減っている理由は何なのでしょうか?調べてみると、3つの理由がありました。世界のカシミヤ事情の変化、モンゴルの砂漠化、モンゴルの経済成長です。



世界のカシミヤ事情ですが、カシミヤの流通に変化が生じています。その引き金は、世界貿易機関の取り決めです。05年1月から、欧米などが繊維製品の輸入制限を撤廃したのです。



このため、日本と同じように世界中のカシミヤ消費国が安い中国に目を向けたのです。これによって、中国産のカシミヤの需要が集中します。それにつれて、原料価格が上昇したのです。価格の上昇は、03年に比べて約3割ほど上昇しています。



カシミヤ産地の環境変化もカシミヤの原料価格上昇に関係しています。カシミヤの主産地である内モンゴルでは、従来、放牧によってヤギを育てていました。しかし、ヤギの放牧が増えるにつれて、放牧地の砂漠化が進んだのです。これは、ヤギが草を食べる際に根っこまで食べることが理由とされています。



砂漠化が広がると、ヤギを育てるためには、ヤギが食べる草が必要になります。従来の飼育方法では、草代は必要ありませんでしたが、砂漠化によって、ヤギの飼料が必要になってきたのです。これがカシミヤの原価が跳ね上がった2つ目の理由です。



最後の理由、モンゴルの経済成長です。カシミヤの主産地である内モンゴルの経済成長は著しく、01年から05年の平均経済成長率は16.7%です。内モンゴルでは、繊維産業は主要な産業でしたが、経済成長とともに、より賃金が高い鉱工業に労働力がシフトしていきました。労働力の流出を防ぐために繊維業界の賃金を上げざるを得なかったのです。これがカシミヤの原価高の3つ目の理由です。



上記の3つの理由から、カシミヤの原価が上がっているのですね。これらの理由は、今後も継続するでしょうから、カシミヤ製品の今後の値上げが予想されます。



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