内需の外需化、エムケイタクシー

2012年8月22日 水曜日

早嶋です。


タクシー大手のエムケイグループは海外展開を加速しています。昨年の米国進出を皮切りに韓国、中国でもハイヤーサービスを開始しています。国内のタクシー産業は相変わらずの規制の塊で成長が見込めないと判断。いち早く市場を外に見出します。エムケイタクシーのサービスが、米国や韓国や中国で受けられたら。考えただけでも有り得ない!という感じです。乗車前に扉の前に立ち、丁寧な挨拶、自己紹介をした運転手が行き先確認を行う。海外のタクシーでこのようなサービスを拝むことはビフォーエムケイでは考えられなかったことでしょう。

2011年4月にLAで現地法人を立ち上げ、現在はハイヤー6台、運転手8人と小さな規模であるが、日本の大手企業幹部社員を中心にサービス展開のテストマーケティングを実施しています。LAでは単黒を迎え、次は韓国。2012年7月にハイヤー7台、運転手10人で開始します。主に空港とホテルの送迎のほか、貸切も受け付けています。上海は大手レンタカーのハーツとタッグを組んで展開しています。こちらではハーツの車にエムケイの運転手が乗るかたち。6台の車に10人の運転手で開始しています。

3カ国とも当面は現地の日本人を対象としていますが、徐々に拡大する計画です。LA、ソウル、上海は日本人出張者も多く、SFや北京の展開はまもなく始まるでしょう。

そもそもエムケイタクシーが海外に目を向けた理由はタクシーの規制です。京都でのタクシー保有台数は910台で京都の台数シェアでは10%程度の規模。一方東京では270台の保有で首都圏1都3県の保有シェアの1%もありません。その理由は、都内での事業拡大に対する規制。2009年10月施行の特別措置法で減車、休車が進み多くの企業が台数を減らしています。タクシー業界の規制の最強化に市場の伸びは無い、そう見きっているのでしょう。

エムケイの海外展開のポイントは、現地の言葉と日本語を話すタクシーの運転手。加えて、エムケイのKSFでもあるサービスの教育手法の確立。現地採用を考えると相応の報酬が必要でしょう。しかし、過去に行政相手の訴訟も辞さずに規制の壁に挑んできたエムケイ。国境を超えた海外でも粘り強くビジネスモデルを構築して欲しいものです。



コメント / トラックバック2件

  1. 椿事 より:

    規制というのは、ほんとうに厄介ですね。銭湯や酒屋にも出店規制がありましたね。
    規制ができた当初は、合理的理由があったのでしょうが、時代とともに、その理由が消滅。規制だけが残った。規制で既得権益を受ける人は、ロビー活動し、規制を残し続けるよう努力する。
    一業界だけでなく、社会全体のダイナミズム、国の元気が左右される問題だと思います。

  2. biznavi より:

    競争がない社会は堕落する。という一面もありますね。

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