アイデア創出

2012年7月31日 火曜日

早嶋です。


アイデア。

ジェームスヤングの本は、アイデアの創り方というジャンルを初めて体系化したものだと思う。出版されてから既に800万部以上も売れているベストセラー。その中で、「アイデアはいつ出るのか?」ということに触れている。そしてそれは、何もしていないときという。何かをひねり出そうとして別のことに取り組んでいる時に出てくるという。この表現は腑に落ちる。

近年の脳科学では、脳細胞が整理される過程でに、アイデアが出るそうだ。もちろん努力は必要だ。継続的な意味のあるインプットと、それを自分で消化するためのアウトプット。しかし、一生件名脳みそをフル回転しているときには発想は乏しい。別の取り組みをしているとき、体を動かしているとき、ぽーっとしているとき、リラックスしているとき。まさに、脳みそが整理されるのでしょう。旭化成でいう「イヒッ!」の瞬間。

その瞬間は万人に一様に毎日決まった時間に降りてくる。

トイレの中、電車での移動中、通勤途中、運転中、お風呂の中、歩いているとき、タバコを負荷しているとき、寝る前、起きた後、歯磨きをしているとき。人は一日の決まった行動をしている時に、素晴らしいアイデアを出している。しかし、天才と凡人の違いは、そのアイデアを再び思い出せるか否か。悲しいが現実。

凡人は決まって忘れ、場合によっては想起したことも忘れている。何か素晴らしいアイデアを思い出したのに。というのはまだ良いほうかも知れない。天才は、必要な時にそのアイデアを再び取り出す処理に長けていると思う。

そこで考えた。

毎日毎日、決まってアイデアが出る瞬間があるのに、忘却の彼方に葬り去るのはもったいない。「ここに価値を見出すためにはどうするか?」私の場合、その瞬間は朝目覚めた時に訪れる。

初期の頃はメモを取っていた。従って、枕元に必ずノートを置いていた。しかし、取ったノートをなくして、結果的に思い出せないでいる。凡人なので、メモを取った瞬間に脳裏に残すこともできないでいた。目的が果たせないなら手段を変える。

そこで次は、携帯にメールをするようにした。タイトルにアイデアと付けて、自分にメールする。つまり、コンピューターに覚えてもらう作業だ。ネットワークがつながらないとき、何となく気持ちが悪かった。毎日する作業で、仕組みとしては問題ないのであるが感情的に何かがちがう。送信されなくても、テキストとしてデータが残っているから、結果、目的は果たしているはず。無視していればいいのに、塩梅が悪い。でも、毎日の繰り返しの作業なので、感覚合わないことはしたくない。そんなのは続かない。

そこで、別の方法を考えた。ここ数年継続しているツールは、エバーノート。基本はメールと同じ。違うのは、クラウドの世界に記録されるので、どのデバイスからでも書き込みが出来る。ネットが繋がっていない場合は、つながった時に勝手に同期されている。人間が考えなくても、いい具合に整理されている。そこで、思いついたことを書き留めている。正確にはタイプしている。タグにアイデアとだけ書いている。

必要なときは、そのタグを検索する。或いは、自分が欲しいキーワードを検索する。自分で考えたことだから、忘れていても、キーワードは出てくるもの。従って、書き留めていた内容を検索するのは全く問題ない。文字の検索に加え、写真からのテキスト検索も若干質は下がるが可能。従って、面白い広告や、ヒントになりそうなものがあったら兎に角、放り込む。

本を書くとき、講演をするとき、ワークショップをするとき、暇な時。思いついて悩んだら、そこを覗いてみる。役にたたないどうでもよさそうなアイデアから、すごいな、これっ!ていうアイデアまで様々。全部自分が考えたアイデア。何かに想起されたもの、全く関連が無いもの、何かと何かを組み合わせたもの。仕事をしていて思いついたもの。クライアントから質問されて考えだしたこと。ワークショップ中に他人の発言を聞いて触発されたこと。ブレスト部でブレストしているときに思いついたこと。様々なアイデアが豊富にある。それを見ていると再び脳みそがフロー状態になり、今まさに考えているヒントが湧いてくる。これは使い勝手の良いツールだ。

アイデア。

人の生活の8割は同じ行動パターンだと思う。であるならば、頭が活性化される時期も時間帯も同じはず。その時の一番新鮮なアイデアを何らかの方法で残しておき、活用する。この方法は誰でもできるし、お金もかからない。



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