酸素

2006年10月27日 金曜日

早嶋です。



ペットボトルの水がまだまだ認知されていなかったとき、誰もが次のように考えたことでしょう。「1リットルの水を誰が300円で買うの?」「ガソリンよりも高いじゃん。」



しかし、今では水を抵抗無く買っていますし、オフィスではウォーター・サーバーを置いている会社を良く見かけます。水を購入する感覚は、今では当たり前になっているのです。では、酸素はどうでしょう?



「流石に酸素にお金を出す人はいないでしょう?」と、思った人は、「水にお金を出す人なんていないよ」と、過去に考えた人と同じ感覚を持つようになるかもしれません。



セブン・イレブンは、「ケータイ酸素缶」という商品を今年の5月より東京・神奈川・千葉の3地区で販売を始めました。更に、6月中旬より全国の店舗において、ケータイ酸素缶を購入することができます。福岡のセブン・イレブンでも販売されていますので、信じられない方は、確認してみてください。



ここで、注目する点は、酸素をサプリメントとして位置づけたことです。今回の商品は、酸素にアロマを加えているのでリフレッシュというキーワードが重視されます。水を補給するなら、酸素も気軽に補給しよう。ストレスや過労、運動不足等で現代人に不足がちな酸素を手軽に補給しよう。まるで、ビタミンC等のサプリメントのキャッチコピーのような文体で商品特徴を記述しているところから、吸うサプリメント、という新しいポジショニングを確立しようとしていることが分かります。



ところで、酸素缶。セブン・イレブンがはじめて市場に出したわけではありません。登山やハイキングをする方は、アウトドアショップ等で携帯酸素缶を見た方も多いと思います。私が学生の頃、富士山の8合目の山小屋でバイトしているとき、酸素缶は山小屋の売店でも売れ筋商品でした。ただ、このときのポジショニングは酸素補給。富士山の8合目は3,200m程度の高さで酸素濃度が薄くなっています。そのため、少し動いただけで息が切れてしまうため、酸素を補給すると言った発想です。



また、酸素を別の形で商品化しているものがあります。オフィスビルの空調です。温度を調節する要領で、オフィスの空気を調節するのです。オフィスの空調を行う際に、オゾンを一緒に放出するのです。これによって、オフィスが森林のようなすがすがしい空間になり、仕事の能率が上がると言った代物です。



他にも数年前から、酸素バーはひそかなブームとなっています。こちらの場合は、体を休めながら酸素を吸うことによってリフレッシュするモノです。エステやリラクゼーションを提供する業態のお店に導入されています。



さらに、「○○の空気」等と宣伝して、普段ではいけない国や地域や地形の空気を缶詰に詰めて販売しているお土産や、アサヒが出している酸素水など、「酸素」をキーにした商品(製品・サービス)が世の中に割りと多いことに気づきます。



となると、「この酸素、いいよ!今度、試してみてよ。」とか、「そろそろ酸素が切れるから、新しい酸素買っておいて」と言う会話が交わされるのが当たり前になる時代が来るかもしれませんね。





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