事業承継とマネジメント

2011年7月26日 火曜日

早嶋です。

事業承継する場合は、企業のビジネスモデル、マネジメントの仕組み、組織体制を見直すことから始まります。例えば、次の企業ペルソナを考えて下さい。

■よくある中小企業
年間の売上が3億円程度で創業30年から40年。株は経営者もしくは、そのファミリーで占める。従って、経営と所有は分離しておらず、オーナー=経営者となる。社長の年齢は60歳を超え、奥さんがCFOという名のもと会社の専務になっている。だからといって管理会計を構築しているわけでもなく、実際は記帳代行を税理士にまるなげ。従って、会社の数字はよくわからず、社長自身も数字が読めない。子息子女の年齢は40代だが、既に大企業に務めているか自分で独立して、両親の事業には一切の関心がない。

利益はマイナス1000万円〜1000万円程度で、社長の役員報酬が1500万円〜2000万円。妻が500万円程度取っている。従業員の給与は400万円〜500万円。業種によって従業員の人数は異なるが概ね10名前後。傾向としては、古参の社員が数名いて、いずれも高齢化。新しい社員は中々根付かず、若い社員の流動性は極めて高い。

ビジネスの肝の部分は社長が行い、スーパー営業マン兼社長という感じ。しかしながら、バブル成長期にはかなり利益を上げていて不動産等の資産を何かしら保有している。が、担保が取れるまでには至らず、キャッシュフローはいつもきちきち。組織は社長以下皆同じで、一応古参社員には肩書き上、部長職などがあるが、実際は文鎮のような組織体系。社長命令絶対で、ボトムダウンで何か発案されることは皆無。

さて、何を考えますか?

まず、ビジネスモデルですが、社長がいなくなれば機能しなくなります。マネジメントですが、やはり社長がいなくなれば機能停止です。そして組織体制、やはり社長がいないと価値を生み出すことがむずかしくなります。

従って、事業承継を考えたら次は、上記の3つを解消する必要があります。すなわち、ビジネスモデルをしっかりと構築して、視覚化する。そして、社長が1年間いなくても会社がキャッシュフローを生み出し、組織として機能している姿を作るのです。お金に対しても最低でも月次で占めて、その結果を次のビジネスに対応する仕組みができるように変更していきます。

社長だけど経営者ではない。これはまずいのです。従って、しっかりとしたビジネスの仕組みを作って行くことことが大切な仕事になってくるのです。



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