小さな池の大きな魚を目指す

2011年6月15日 水曜日

早嶋です。

経営に正解は無いと思いますが、先日次のような質問を頂きました。成長している大きな市場に行くべきか?成長しているけど小さな市場に行くべきか?質問している経営者は資本が小さな中小企業です。

早嶋は、小さい市場がいいと思います。どちらも成長するのであれば。

現在、日本で急成長を迎えている市場は、そう多くはありません。ビジネスのライフサイクルを考えた場合、ほとんどの業界は成長後期、もしくは成熟期を迎えているからです。大きな企業は、自社の存続を永遠に考えるため、成長が鈍化する前に新しいビジネスを立ち上げる努力をします。もちろん資本の大小に関係ないのでこの概念は中小企業にもフィットするでしょう。

しかし問題は、企業に取って十分なサイズです。大企業はたくさんの雇用を抱えているので、新しいビジネスに対しても大きなリターンを求めます。従って、大企業は小さな市場よりも大きな市場に乗り出していくでしょう。経営者が合理的な判断をすればするほど、上記のような意思決定になります。

上記のような意思決定を行う企業は、他の大企業も同じでしょう。つまり、大きな池に小さな魚が入った場合、もっと大きな魚とパイを取り合うことになるのです。規模の経済を考えると、はじめから厳しい競争になります。

一方、小さな市場はどうでしょう。やや乱暴ですが、大きな魚にとっては池が小さすぎます。魅力を感じられないのです。大きな企業の経営者は、小さい市場が将来大きくなる可能性を感じていても、4半期ごとに成果を求められるいまの世の中、そのような意思決定はますます取りにくくなります。従って、小さな市場が小さな魚にとっては優位な環境を構築する可能性があります。小さな市場であっても、小資本の中小企業にとっては十分な旨みがあります。そこでシェアを拡大しながらニッチに強い企業になった方が、大企業との競争もなく、その分野からは、他のクライアントから名指しで指名されるようになるでしょう。

小さな市場が大きく成長しはじめ、大きな資本が参入してきても、早く参入した分、小さい資本の企業にとってはアドバンテージがあるので、競争もありますが、乗り越えられる可能性が高いでしょう。

ということで、大きな池の小さな魚になるよりも、小さな池の大きな魚になった方が、中小としては活動がしやすいと思います。

感謝!



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