2013年の大量退職

2011年5月1日 日曜日

2013年、企業戦士の多くが退職を迎えます。国や企業はそのために必要な一時的な資金を必死になって確保している所でしょう。金銭の問題意外にも厄介なことが考えられます。お父さん世代のセカンドライフです。

ドラッカーは、40代頃より自分の第二の人生を考える事を勧めていました。急に仕事をリタイアするとこれまでのモチベーションが無くなり、自己を否定してしまう可能性があるからです。

既に定年を迎えた1年目の友人の話です。彼は現在、社会をもっとよくするという志のもと活動を起こしています。初め、定年してすぐの1年間は嘱託勤務という形を選択していました。しかし、志を優先に、金銭面よりもやりがいを選択したのです。経済的には不安はありましたが、リタイアして新しいことに取り組んでいる今が数倍ハッピーだと言います。

彼は50歳の時にドラッカーの著書と出会い、第二の人生を考えるきっかけを得たそうです。それからの10年、ドラッカーの思想を模索しながら、自分は何をするのかを考え仕事をしてきました。

ただ実際は、そこまで考えていても、やはり不安な要素は隠せないと言っています。自分のスキルや経験をベースにどこまでできるか?と考えるからです。これまで大きな組織に属していて、周りには沢山の仲間がいました。定年によって急に1人に思えたのでした。そして、いざ、1人で何かをするということがとても大きな不安になったと言います。

彼のようにじっくり考えている方でも不安になるそうです。では、多くの退職世代のヒトはどうなのでしょうか?考えているようで考えていないかもしれません。彼は続けました。実際に退職後の第二の人生に準備が出来ている人は少ない、と。

例えば、日中に散歩をしていると、ある地域では、60代の方々がウロウロしています。これまで社会の中に生き、急に仕事が無くなった。することが無いので公園を散歩している。これまで時間に追われている生活から急に時間がありあまる生活になり、何をしていいのか分からなくなった。覇気が無くなっていきます。

図書館に行ってもそうです。リタイアされた方々が多くいます。その半数は新聞や本を読んでいます。しかし半数は寝ているそうです。ありあまる時間を浪費する惜しみもなく。そのような場所に元気な方が行っても悲しくなるそうです。

別の友人の話です。彼は、あと2年で退職を迎えるのですが、やはり自分のテーマを基に積極的に活動をされている方です。かれでもやはり1人になることに恐怖を感じると言っています。やりたい事は沢山あるけれども、一歩を踏む勇気がない。

彼は言っています。これまで甘い仕事の仕方で生きていたヒトはきっと、もっと大変になるのでは無いかと。組織人は組織から離れた時に、社会にでると相当の不安を感じると言います。その場合、自己をどこにもつのか?人間関係をどのようにつくるのか?何のために自分は生きるのか?このことに応えておく準備が必要なのかも知れません。





コメント / トラックバック1件

  1. ぐるぐる より:

    図書館に行くと…、のくだり。たしかにその通りですね。実感します。
    京都大の先生だった森毅さんも、「人生二毛作」を提唱されていました。元検事の堀田力さんも、検事を辞められてからは、弁護士というより、ボランティア活動に力点を置かれていますよね。でも、森さんや堀田さんは例外で、現実には、「一歩を踏む勇気がない」というのが、多くの人の現実なんでしょう。
    ほんと、早くから準備をしておかねばなりません。
    大学が学生に対し、自己分析を勧め、シューカツへの意識を促すように、企業は40~50代の社員に対し、テイカツ(定年後活動)への意識付けをせねばなりませんね。

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