ユニクロのソーシャルビジネス

2010年10月30日 土曜日

ソーシャルビジネス。今や日本を代表する企業になったユニクロも力を入れています。ユニクロはバングラディシュのグラミン銀行と合弁会社を設立してバングラディッシュでソーシャルビジネスをスタートしています。

バングラディッシュでの生産を簡潔することで地元に住んでいる貧困層の方々が購入できる価格で販売します。そして自立を支援する仕組みを取り入れながら、その仕事で得た収入をもとに子供の投資をおこなう。バングラディッシュで完結することで国が活性する仕組みを構築していくのです。

ユニクロのソーシャルビジネスは、商品企画から始まります。バングラディッシュでのTシャツ1枚当たりの市場価格は150円。地元でのマーケティングを重ね、品質と価格の両立を目指します。

次に材料調達。バングラディッシュのパートナー工場から生地を安価で仕入れます。そして現地の工場で生産。価格は抑えているものの品質にこだわるユニクロ。ソーシャルビジネスであっても、ユニクロの品質基準の確立に賛同する現地工場に限定して生産を行います。

そして販売。販売の方法はグラミンレディによる対面販売です。グラミンレディはグラミン銀行から融資を受け、それをもとに自立を目指している現地の女性たちです。自身も貧しい農村部出身の女性たちが農村部の家々をめぐり、商品の特徴をプレゼンしながら対面販売を行います。または、自分の家を店舗のようにして販売するグラミンレディもいます。

ユニクロのソーシャルビジネスで作られたTシャツ類は現地で販売されるTシャツと比較して2割から3割程度の価格は高いそうですが、品質がよくその分丈夫ということで、皆さんに納得して頂きながら購入されています。

そして最後に利益の再投資。利益の追及も行いながら得た利益を再びビジネスに投資します。1年目の目標は10万枚の販売。そして3年後には100万枚の生産と販売を達成する目標に掲げています。


早嶋聡史






コメント / トラックバック4件

  1. ぐるぐる より:

    グラミンレディとは、ヤルクルおばさん(ヤクルトレディ)のようですね。
    『ロングセラー商品の舞台裏』(成美堂出版)という本を書いたことがあります。この本でヤクルトが取り上げられているのですが、同品が普及した当時(戦前戦後)、日本も貧しかった。「人々の健康のために」という理念に共感した人が、自主的に販売を請け負ったそうです。ちなみにヤクルトレディへの委託による個人宅への販売という手法は、世界各地で実施されているようです。(プライバシー尊重の欧米を除く)

  2. biznavi より:

    早嶋です。コメントありがとうございます。キーは販売チャネルですね。ヤクルトもそうだったようですが、商品を最終消費者に届けるチャネルの機能が極めて重要な役割を果たしていると思います。いつもありがとうございます!勉強になります。

  3. 若林 より:

    今後こういうソーシャルビジネスはどんどん発展行くんでしょうね。これまでの先進国の資金持ち出しで成り立っていたボランティアに近い社会貢献活動から、活動それ自体が事業として成り立つSustainable business になっていくことが大切だなと思います。

  4. biznavi より:

    若林さん
    早嶋です。コメントありがとうございます。現在、ソーシャルビジネスの研究を兼ねてカンボジアで若くして起業した若い女性の支援をさせて頂いています。現地に雇用を作るためにハーブ製品をベースにフェアトレードビジネスを立ち上げています。そして、それのビジネスをレバレッジに村にインフラを作り、そのムラが独立して現金収入を得れるようにする。そのような村を途上国で増やしていくというヴィジョンです。
    若林さんのご指摘の通り、お金だけ、ハードでかでは、輸血が止まった瞬間に死亡しますので、いかに自分たちのみで継続的に事業が続けれるのか?の仕組みを提供して、提供した組織が離れたところでも自立的な活動ができるように仕向けることが大切だと思います。

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