個人の力

2010年7月27日 火曜日

投資家のジョージ・ソロすは1992年にイギリスのポンド危機で莫大な額を空売りしてイングランド銀行をひっくり返しました。1997年のアジア通貨も一部のファンドがタイバーツを売り浴びせたことがきっかけです。

政治家の中には経済を理解するツール、政治の先を見るツールとして経済学を用いていますが、そのモデルは閉鎖空間の中です。限られた条件下の中で前提条件を付けた理論です。

しかし、上記のような出来事が近年多々起こっています。経済学のモデルや論理とは全く関係しない世の中が主導しています。高尚な理論に関係なく力を持つ個人や組織が世の中を動かしつつあります。

このように限られた個人や組織の力が強くなった理由は2つあります。政策を実行している人間の多くは、実際に自分たちが行っている行動に疑問を持っていますが、言い出せないのです。もし言い出しても対策が出せないから結局黙っている。

もうひとつは多くの人々は現状を受け入れずに悪いニュースを聞きたがらないからです。アクチャルなデータを示して実態をさらけ出したところでのんびり構えている。かつて日本が戦争に突入した当時のような状況でしょうか?

政治家と言えば、票をとることが仕事のような活動をしています。悪いデータは見て見ぬふりなのか、聞こえないふりなのか。なんかあればバラマキで片づけて根本解決をしない。一時的な策で短期的な評価を得ることを目的のように。

このよな中、真面目に取り組んで、当たり前のことをいう人間が、個人の力を発揮できるようになるのでしょう。昔と違って、ネットの影響、国境を越えた波及力。そして、その影響力もマルチプルに伝搬します。

早嶋聡史



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