囚人のジレンマ

2006年7月22日 土曜日

早嶋です。



ジレンマという言葉は、二律背反、板ばさみ状態というように、2つの選択肢のうち、どちらか一方を選択しなければいけない状態です。ゲーム理論の中に、このジレンマというのが登場します。囚人のジレンマです。



囚人Aと囚人Bが逮捕されました。彼らはある犯罪の共犯者だと疑われています。2には、別々の留置所に拘置され、互いに、検事からどのような取調べを受けているのか知ることができません。このような状況下、検事は、囚人Aと囚人Bに以下の条件を提示しました。ただし、この段階ではまだ証拠不十分な段階です。

 

1) 2人とも黙秘すれば懲役1年ずつ。

  (微罪で罰するしかないため)

2) 2人とも自白すれば、懲役2年ずつ。

  (罪が確定するため)

3) 1人が自白し、1人が黙秘した場合、自白した方は釈放、黙秘したほうは懲役3年。



これで、もし自分が囚人Aであったら黙秘するか?自白するか?という選択です。この状態は、ジレンマだとわかると思います。どちらを選択しますか?



これを考えていくには、1)相手が黙秘した場合、2)相手が自白した場合、に分けて考え、自分にとってどちらが得か?を考えます。



1) 相手が黙秘した場合

 自分が黙秘した場合、自分の懲役は1年です。

 自分が自白した場合、自分の懲役は0年です。

 つまり、相手が黙秘した場合、自白の方が有利です。



2) 相手が自白した場合

 自分が黙秘した場合、自分の懲役は3年です。

 自分が自白した場合、自分の懲役は2年です。

 つまり、相手が自白した場合、自白の方が有利です。



以上から、どちらの場合も自白を選択するほうが有利になります。同様に囚人Bの立場で考えても同じなので、やはり自白を選択したほうが有利になります。



ここで、おや?と思うかも知れません。もし、両方とも黙秘を選択した場合、2人の懲役は1年ずつになるからです。お互いに自白をした場合の2年よりも短くなります。しかし、ここにジレンマがあり、もし黙秘を選んで、相手が自白した場合、自分の懲役は3年になってしまう・・・。



このように、ちょいと見は得だと思っても、実は損をすることは世の中にたくさんあります。上記のように事象を分解して考えることができれば、どの選択が理想であるかがはっきりできるのです。



—ただ今、ブログマーケティング実験中。—



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