ダイソンを使って

2010年4月24日 土曜日

吸引力が変わらないただ一つの掃除機。だれもがすぐにダイソンを思い浮かべるでしょう。ダイソンの掃除機が世の中に出て来たとき、機能を全面的にうたった商品だと認識していました。しかし、最近使ってみて、実は感情面の訴求もうまく行っていたことに気づきます。

世間に出て来たときの印象は次の通りです。非常に変わった掃除機だな。これまでの掃除機は吸い取ったゴミを紙パックに集めて捨てるという仕組みでした。紙パックが満杯になると同時に吸引力が落ちてきます。そして、掃除機のパッケージは色が付いているので中身は見えません。無骨なバロメーターが点滅するか色が変わるか、或いは吸引力が落ちる事でゴミが満杯である事を知っていました。

ダイソンは違います。遠心分離でゴミと空気を分離するサイクロン型の掃除機です。しかし、実際使ってみて、本当のヒットの理由を次のように考えました。

「こんなにゴミが取れた!」

って見えるところではないでしょうか?ダイソンの掃除機のパッケージが透明で、遠心分離しているゴミが踊るように目に見えるのです。掃除をしている時に、ゴミが綺麗に取れることこを喜びです。その喜びをストレートに伝えてくれるのです。

これまでの掃除機はタブーでした。そのため、ゴミを見せないようにしていました。ダイソンはそこに目をつけ、パラダイムをシフトしました。ゴミを見せる発想です。

吸い取ったゴミが見える、これは掃除をしている側から達成感を見た目でも満たしてくれます。ジェームズ・ダイソン、偉大なる発明家にして偉大なるマーケターだと思います。

早嶋聡史





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