安さと楽しさ

2009年11月4日 水曜日

週末、マリノアのアウトレットによってみました。相変わらずの人気ぶり。ショップの数が増えて、新しいブランドもいくつか出来ていました。アウトレット、有名ブランドの在庫処分を中心に低価格商品が集積している業態。近年、この業態は全国に広がりを見せ、プロパー(定価)で販売をする小売には脅威に感じる事でしょう。

では、消費者は何故ゆえにアウトレットに通うのか?一見、安さ!と思いがちですが、別の要素が強いようです。先日の日経新聞に掲載されていた情報によれば、「アウトレットで買い物をした事がある人の内、3人に1人の割合で、今後も利用すると応えています、そしてその最大の理由は楽しさ」と。

本調査は、日経産業地域研究所が行っており、全国の31か所の主要なアウトレット施設で購買経験や購買理由などを調べたものです。アウトレット施設に出かけた人の56%は購買経験があります。そして、今後の買い物をアウトレットで行うとしたら、その割合を「増やしたい」36%、「これまで通り」36%という結果が出ています。この数字を見ても、アウトレットでの購入は今後もステイ、若しくは増加する事が予測できます。

しかし、アウトレットの購買理由が「楽しいから」というのは面白いですね。6割強の男女がアウトレットでの購買が楽しいからと応えており、経済性の理由で購入している2割を理由の面から大きく差をつけています。

確かに、各モールはテーマを設けていて、アウトレットモール全体が1つのテーマの中で調和した作りになっています。例えば、米国の西海岸のイメージで統一した店作りや、森をテーマにデザインを統一したモールなどです。アウトレットモールの最大の売りは「安さ」ですが、それは顧客が初めから期待しているので、継続的な購買につなげるためにも「楽しい購買経験」を提供しているのでしょう。

もし、上記の理解をせずに、アウトレット=安売りの店!という認識でプロパーで販売をしている小売店が差別化を図ろうとしても太刀打ちできないでしょうね。非常に重要な視点だと思いました。

 

早嶋 聡史



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