そのサービス、心から?

2009年8月24日 月曜日

終わりよければ全て良し!昔からよく言ったものです。行動心理学で、この事に近い言葉でピークエンド効果があります。最後(エンド)に絶頂(ピーク)の感覚が得られれば、人は満足するという効果です。逆に、全体の流れが良くても最後が悪ければ、いまいちの評価が残ります。



例えば、プレゼンテーションを行っていて、うまくいかないなぁーと思っても、最後の数分に聴衆を盛り上げる事が出来たら、そのプレゼンの評価が高くなる事が多いです。大前さんも著書の中で、最後に盛り上げる事について記されています。



これに関してJALアカデミーのインストラクターが記していた言葉を思い出します。「キャビンアテンダントにとって最後の言葉がとても重要」と。



先日、鹿児島から飛行機で戻っている時の体験です。福岡空港にトラブルを抱えた緊急の機材が着陸したため閉鎖されたのです。機長によれば1時間以上は空港が閉鎖されるので、燃料を十分に積んでいない飛行機は鹿児島まで戻るとのことでした。福岡上空まで来たものの、仕方なく鹿児島に引き返すことになりました。



さて、機内は騒然とします。機長の説明の後に、フライトアテンダントがそれそれの客席を回って説明にきますが、なんとも内容の無い説明でした。状況を聴く限り、どうしようもないなぁーと思っていましたが、手際の悪さ、トラブルに対しての対応の悪さを見ていると、大丈夫かな?と心配になります。



因みに、フライトは最終便。鹿児島空港に戻るのは21時30分頃。この時間だと、通常の交通機関では福岡に戻れません。やれやれ。そうこうしているうちに着陸態勢に。フライトアテンダントの方は、何やらマニュアルを一生懸命読んでいます。緊急時の対応を確認しているのかな?



そして着陸時、いつもの通りのアナウンスが流れます。「間もなく、鹿児島空港に到着します。・・・」って、おいおい。誰も鹿児島に引き返すことなんて望んでいないのに、マニュアル通りのアナウンスはいかがなものでしょう。結局、飛行機を降りるまでマニュアルに書かれたとおりの言葉を読んで感情が感じられませんでした。



ピークエンド効果がネガティブに働いた例だと思います。サービスの良しあしは、そのサービスを失うときに初めて体感すると思います。通常は、そのサービスを受けている事を認識しませんが、これまで受けていたサービスが全く違ったものになったりすると、これまでのサービスの良しあしが分かります。



今回のようなトラブルの時は、通常よりもちょっと気のきいたサービスであったり、対応を受ける事が出来れば、顧客の満足度はぐっと高まったと感じます。しかし、結果はいまいち。これまで受けてきた対応は形式通りの無味無臭のものなの?と感じざるを得ませんでした。



早嶋 聡史(はやしま さとし)





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